住職今月のお話
三寒四温の通り、厳しい寒さが続いたかと思うと春の陽気を思わせる日が続き、
体調管理の歯車が狂ってしまう陽気に戸惑います。
二月は逃げるの言葉どおり暦は駆け足で過ぎ、弥生三月を迎えました。
イタリアからは日本の選手の活躍が連日放送され、
眠い目をこすりながら応援しておりました。
メダルをとれた選手もそうでない選手もオリンピックの舞台に立つまで、
どれほどの努力を重ねてきたのか想像するだけで頭の下がる思いがします。
また、SNSに心ない言葉を投げつける人も多いと聞くと人として情けなくなります。
無記名で投稿するのでしょうが、
揶揄する貴方にその言葉を発信する資格があるのかと疑いたくなります。
どんなに力があってもその場が作り出す雰囲気や天候等どうにもならないものもあります。
またジャッジをするのも人間です。
確かにはてなと思うジャッジもありましたが、
己の主観とは異なるジャッジもあることは事実です。
ただ傍観し大舞台に立った選手に嘲りや罵倒する言葉を投げかけるのではなく
惜しみない拍手を送ってほしいと強く強く思うしだいであります。
自分の意見を投稿するのならば正々堂々と名のってほしいと思いますが如何でしょうか。
さて、変にピリウドが打たれ終わってしまう物事や言葉に「オシャカ」になっしまった。
或いは「オシャカ」だよ。とかの言い回しをする事があります。
言わずと知れた駄目になってしまったり壊れてしまったとか、
失敗してしまった事の俗語であります
「交通事故で車をオシャカにしてしまった。」
いわゆる全損で修理の施しようも無い事を指したりします。
何故、仏教の開祖である『お釈迦様』が使われてしまうのか不思議でなりません。
この俗語の語源は諸説有るようですが、特に江戸時代の職人のシャレ言葉が有力の様です。
江戸弁と言うと『べらんめえ』調で話すのが有名ですが、
江戸弁は『ひ』を『し』と発音してしまい拙僧の友人で東京の下町育ちの友人は学生の時
「飛行機」(ひこうき)を「飛行機」(しこうき)と言いました。
多分いまでも飛行機を「しこうき」と言っていると思います。
最初は「しこうき」って「何かな?」と不思議に思い、
何を言っているのかサッパリ解らなかった事を思い出されました。
「貧弱」を「しんじゃく」なんて言うので「新しい物差し(ものさし)
『新尺』でも出来たのかな?」なんておもった事もあります。
彼の言った「しんじゃく」に「しんじゃく?」と聞き返すと
「違うよっ!しんじゃくって言ってるだろう」と不機嫌になるし、
「ひんじゃく?」と聞くと「そうそう、しんじゃくだよ」とニッコリ。
周りで聞いている人は何が何やらサッパリ解らず理解に苦しむ訳です。
話を元に戻します。「おしゃか」の語源ですが、江戸時代に始まったようです。
江戸の街で仏像の金型溶接をしていた職人さんが火力の調節を誤り、
失敗作になってしまった時に「火が強かった」(しがつよかった)
四月八日(しがつようか)つまり『お釈迦様』の誕生日で
「お釈迦様になってしまった」が「おしゃかになった」との語源が一説と、
同じく江戸時代の江戸の鋳物職人さんが『阿弥陀様』を制作中に火加減を誤り
『阿弥陀様』が「お釈迦様」になってしまい失敗してしまった等の事柄から
「お釈迦になった」と言ったのが有力語源説のようです。
このように失敗作が出来た事や使い物にならなくなった事を
『お釈迦様』になぞらえ使用出来なくなった物や死人に見立て
『仏縁』としての言葉から『お釈迦様』を連想されたのでしょう。
何とも『お釈迦様』の始まりである誕生日が
終わりを示してしまう言葉になってしまったのは不思議です。
さて、今月は17日(火)から春の『お彼岸』を迎えます。
お彼岸には、ご家族お揃いで父母・先祖様の墓前に手を合わせ感謝の誠を捧げましょう。