聖徳太子開山の祈願寺     

真言宗 豊山派 二十三夜寺

住職今月のお話



お盆でご先祖様を送ると辺りは少しずつ秋を思わせる景色を見せはじめ

暦は長月(九月)となりました。

近年の気候変動のせいか残暑が厳しかったり

予想外の動きを見せた台風がきたりして、

あちこちで災害が発生しています。

熊本県の地震に依る避難生活、炎天下の中での後片付け、

千葉県の水害、北陸の水害など日本列島が悲鳴をあげているかのようです。

またネパールでは氷河の崩落から大規模の土石流で多くの被害が報道されました。

亡くなられた方には心からお悔やみを、

被害にあわれた方々には当山一同、心からお見舞いを申し上げます。

自然災害を予測できれば良いのですが中々そうもいきません。

『幸田露伴』は娘の幸田文が家事を終えたときに

「あとみよそわか」と言う言葉を必ず唱えさせたそうです。

「あとみよ」は「跡を見てよく確認せよ」

「そわか」は「成就」を意味する仏語です。

私たちの日々の暮らしの中でも「あとみよそわか」

を意識することが大事ではないかと思うこの頃です。

さて、今月は20日から秋の彼岸を迎えます。

この岸(此岸)から彼の岸(彼岸)に渡る到彼岸、

その境に在るのが三途の川です。

三途の川と言うと此の世と彼の世(あの世・阿の世)を隔てる今際(臨終)の際に

観たり経験されたりする場所と考えられたり、

言いつがれたりされ、生死の境界地と考えられ想像する場所でもあります。

よく耳にするのが病床にあった人が色とりどりの花が満開に綺麗に咲き、

それはそれはこの世では考えられない世界に立つ自分に気がつき

目の前の川を渡ってこの先のもっと素晴らしい場所に行こうと思っている時に、

その一歩がどうしても踏み出せずにいると突然、

川の向こうから「お前はまだ来るな!」

「まだ来るには早すぎる!」

「やり残した事が有るのだから来ては駄目だ!」

と亡くなった親族や知人の声に止められ目が覚め我に還ったら

病院のベットに横たわっていたなどの話を数多く聞きます。

仏教では今世から来世に向かう人の死後の行先を

六道と言う以下の六世界で示します。

天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道が有り、

六道の中でも三途(三悪道)と言う『地獄道』(強い苦しみの世界)

『餓鬼道』(欲と飢えに苦しむ世界)

『畜生道』(理性を持たず本能に流される世界)があります。

この三悪道に落ちる原因は生前に仏教で言う三毒(貪・瞋・痴)

貪りの心、怒りの心、愚かな心が元となり

三悪道の苦しみの世界へと向かうとされます。

常日頃において自分の心の赴くままに行動せず、

いったん立ち止まり心をコントロールして善い行いを心掛けて過ごす事が

来世におき三悪道を避ける秘訣となります。 

今月は彼岸月でもあり仏と私達の距離が最も近くなる時期でもあります。

彼岸(日願)の中日(秋分の日)には真西に沈む太陽

『西方浄土』に手を合わせて御祈りを捧げてみる事をお薦め致します。