聖徳太子開山の祈願寺     

真言宗 豊山派 二十三夜寺

住職今月のお話



『散る桜 残る桜も 散る桜』

桜前線が発表されるも束の間で

花吹雪が舞い葉桜の季節に移り変わりました。

早くも暦は五月(皐月)を迎えております。

百花繚乱の言葉どおりツツジや皐月、

藤、牡丹などが咲き誇る季節です。

当山ではウグイスの鳴き声が裏山から毎日聞こえてきます。

ウグイスも初めからホーホケキョと上手に鳴けません。

練習を重ねて1日ごとに上達していきます。

ウグイスはとても勝ち気な鳥でウグイスの鳴き声を真似すると

競争するかの様につられて鳴いてくることを耳にします。

そこでウグイスの鳴き声がしたときに真似てみたらすぐに鳴き声が返ってきました。

面白くなり暫くウグイスと張り合ってみましたが中々終わりになりません。

とうとう根負けをし終わりにしてしまいました。

美しい鳴き声も日々の努力と気持ちの強さがあったからかと感心したものです。

このような競争ならばいつまで続いても気持ちが和みますが、

世界のあちこちで起こっている戦争や紛争は

一日も早く終わってほしいとウグイスと鳴き比べをしながら思いました。

さて、今月は我が真言宗豊山派の総本山である

奈良の『長谷寺』が創建壱千三百年に当たるため、

奈良の『長谷寺』について紹介したいと思います。   

『長谷寺』は朱鳥元年(西暦686年)『天武天皇』の病気平癒祈願のため

『道明上人』が『銅板法華説相図』を西の岡に安置されたのが草創とされ、

神亀四年(西暦727年)には『徳道上人』が『聖武天皇』の勅命を受けて

近江の國(現在の滋賀県)高島から流れ着いた霊木で

『十一面観世音菩薩』像を刻み東の岡に安置し創建されました。

この十一面観世音菩薩像は身の丈10.18メートルで、

我が国の木造観音菩薩では最大級の大きさになります。

この様な背景から『長谷寺』は観音霊場としての歴史が紐解かれ

本格化し現在の『長谷寺』の石杖を築きました。 

昔話の『藁しべ長者』でも知られるように

この十一面観世音菩薩は人々の悩みを救い、

願いを叶える観音様として古来から深く信仰され親しまれております。

平安時代には貴族のあいだで『長谷寺』のお詣りが流行し

『初瀬詣で』と呼ばれ『源氏物語』や『枕草子』にも数々登場し

都人のあいだでは憧れの霊場となりました。

※十一面観世音菩薩ご真言(オンマカ・キャロニキャ・ソワカ)

※十一面観世音菩薩  慈救呪(オンロケイ・ジンバラ・キリク)

※十一面観世音菩薩様をお詣りの時には三遍ずつお唱えください。

『長谷寺』は古来から『花の御寺』としても親しまれ

四季折々の花が咲き誇り西国観音霊場の第八番寺として

現在も数多くの善男善女が訪れお詣りされております。

桜が散り、この季節には樹齢三百年以上にも及ぶ

数万本の『牡丹』の花が鮮やかに咲き参拝者の目を楽しませております。


私事で恐縮ですが、過日4月27日(月)に拙僧は創建壱千三百年記念法要に

役僧として参加させて頂き感無量の1日を

十一面観世音菩薩様の御下で過ごさせて頂きました。

我が一生の宝物になりました。  合掌